恋する惑星

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アラカン恋愛 14年上の彼 #1 ”山男に惚れてはいけないのは本当だった”

その男に出会ったのは、思いもかけない場所だった。

 

54歳の私は夫の定年と同時に離婚した。

 

そのときに得たお金で、夢だった小さな雑貨店を開くことにした私は隣町に店舗付きの家を見つけた。ショーウィンドウ付きの古い物件で、何年も空き家になっていたらしくかなり手を加える必要がありそうだったが、店の作りが気に入った。

 

家主と交渉すると「管理してくれるなら、土地代だけでいい」と破格の家賃で借りることができた。あちこち手を加える必要はあるけど、リフォームも好きなようにやってくれていい、ということだった。家主からしてみると、取り壊す費用を考えると誰かに使ってもらう方がいい、と言ったところなのだろう。

 

夫の住む町から逃げるようにして出てきた私は、やっと住処を見つけることができてほっとした。贅沢なリフォームができるほどの十分な資金はかけれなかったので、友人やつてを頼ってできるだけ経費を押さえながら進めた。

 

あちこちが綺麗に整ってくると段々と不安は薄れていき期待とワクワクの方が大きくなっていった。

 

私は風景写真を撮るのが好きで、気に入った風景を撮ってはインスタグラムなどに投稿するのが趣味の一つ。特に、朝焼けや夕焼けを撮るのが好きで、いい夕焼けが見れそうな日はわざわざ車を走らせて遠くの夕焼けスポットまで行ったりしていた。

 

家のリフォームが進んで先の展望が見え始めたある朝、私は日の出に間に合うように早起きをして近くの山に向かった。朝日に向かってこれからの人生を頑張ることの決意表明のようなものをしたかったから。

 

その山には牧場やキャンプ場などがあって土日になると親子連れのキャンパーや登山客でにぎわう場所。しかし、この日は平日なので誰もいないはず、山頂を独り占めできる!とまだ薄暗い山道を登った。コーナリングすら楽しい!

 

展望駐車場に向かうとすでに3台車が止まっていてがっかりしたが、姿が見えないので山に登ったのかも、と気にせずに車を横に並べて止めた。

 

カメラを手に朝日が昇る方向に向いて広場の端まで行ってみたが、少し位置がずれているようで、いい写真が撮れそうにない。

 

私はその場所を諦めて車を移動させ、別の場所に行ってみた。しかし、思うようなスポットではなかったので仕方なく元の場所に戻って車を止め最初のスポットに走った。急がないともう朝日が昇る!

 

 

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